The ProdigyのKeith Flintが死去、Drum 'n' Bassシーンからも驚きと悲しみの声

今月04日、The ProdigyのフロントマンKeith Flintが49歳で死去したと報じられました。

BBC始め報道機関の発表では「The death is not being treated as suspicious and a file will be prepared for the coroner.(死に事件性は無く検視のために書類が準備されるだろう。)」とだけ発表されていますが、一方でThe ProdigyのInstagramアカウントではメンバーのLiam Howlettが自殺であったと死の詳細に触れています。

The Prodigy's Keith Flint dies aged 49 - BBC News

The Prodigyは1991年にデビューしたイギリスのElectronic Musicグループです。グループ名になっている"Prodigy"は「神童」や「奇才」を意味する英単語ですが、これは楽曲制作の中心メンバーであるLiam Howlettが初めに手にしたシンセサイザーMoog Prodigyに由来しています。

サウンドの基本としているのはリズムマシンやシンセサイザーを用いたElectronic Musicですが複雑なサンプルコラージュとRock, Hip-hop, Breakbeat, Acid Houseなど複数ジャンルを高度に融合させた独特のスタイルで高い人気を獲得しました。90年代スターダムへと駆け上がった彼等でしたが'The Fat of the Land'のリリース後暫く経つとメンバー間の亀裂が深刻化しThe Prodigyも一時は実質的なLiam Howlettのソロプロジェクトと化してしまいます。しかし、2009年にはKeith FlintとMaximが本格的に復帰したアルバム'Invaders Must Die'をリリース、グループとしての団結を表明しその後は2015年の'The Day Is My Enemy'、2018年の'No Tourists'と新作のリリースを継続的に行いながら精力的なツアーも敢行していました。

元々はダンサーとして加入したKeith Flintですが90年代中期以降はライブパフォーマンスに於いてMaximと共にフロントマンとしてステージに立ち続けていました。また、ビジュアル面でも彼の功績は強大で特徴的な髪型や全身に施されたタトゥーといった彼の過激なファッションは映像や写真でThe Prodigyを目にした人々に強烈な印象を与え、グループの象徴としての役割も果たしました。

The ProdigyはDrum 'n' Bassシーンとの結び付きも強く、2005年には当時急速に知名度を上げていたPendulumにVoodoo PeopleのRemixを依頼します。同トラックは10年以上が経過した今でも高い人気を誇っており、PendulumのBand Setでも頻繁に演奏されています。

更にSub FocusにはSmack My Bitch Up、SporにNasty、Bad Company UKにThe Day Is My Enemy、Teddy KillerzにWe Live ForeverのRemixを依頼するなど頻繁にDrum 'n' Bassプロデューサーをリミキサーとして起用する傾向があり、彼等が常にシーンを観察し続けていてその時々で自らの音楽性に合致したプロデューサーにRemixを依頼している様子が窺えます。

Keith Flintの死が報じられるとDrum 'n' Bassプロデューサー / DJ達からはソーシャルメディアを介して驚きや悲しみの声が多数聞かれました。

03月06日、The Prodigyは今後全てのショーはキャンセルされると発表しています。