2021年も上半期が終了しました。Drum 'n' Bassの中心地イギリスでは国民の新型コロナウイルス感染症ワクチン接種を推し進め07月04日時点で2回目接種率は64%に上ります。しかし、感染の再拡大を受けて先月20日に解除される予定であったロックダウンが4週間延長されるなど依然として社会が新型コロナウイルス感染症の流行前状態に戻る兆しは見えていません。その一方で07月06日にはBoris Johnson首相が07月19日にまずイングランドで感染対策ルールが解除されると表明、この夏に『普通の生活』を再開する意向を表明しています(スコットランド, ウェールズ, 北アイルランドではそれぞれ独自の基準で制限の緩和が検討されます)。
Drum 'n' Bassシーンにとってもナイトクラブの再開や大規模な音楽フェスティバルの開催可否は重要な問題で、これらの政治判断が大きく影響しますがイギリス国内でのデルタ株の増加によってまだまだ明るい兆候は見えません。しかし、こうした制限下でも良質な楽曲のリリースは変わらず継続しており、素晴らしいDrum 'n' Bassアルバムが多数リリースされています。本記事ではこの半年間にリリースされたアルバムの中から特にお勧め出来る5枚を選定しました。もし聴き逃している作品がありましたらこの機会に耳を傾けてみては如何でしょうか。
なお、同趣旨の過去記事はこちらからご覧頂けますので是非お役立て下さい。
今年上半期はUngluedがデビューアルバム'Interplanetary Radio'をリリース。彼は2017年に'Hospitality In The Park 2017'にAy!が収録されて以来Hospital Recordsが注目して来たプロデューサーです。本作はFunk, Soul, Jazzなど多様な要素とDrum 'n' Bassを組み合わせた複雑な構成となっていて、1994年生まれの彼が当時の最先端サウンドを彷彿とさせる伝統的なJungleトラックも制作していることからはシーンが一巡したという歴史の長さを感じます。
Breakは2003年以降の未発表のデモをマスターし年代順に並べたアルバム、'Dusty Demos'をリリースしました。UKFに掲載されたインタビューによれば計画自体は2019年から存在したということですが作業の時間が確保出来たのは昨年ということで、こうした過去の遺産に光が当たるのはあらゆる面で社会に害を与えている新型コロナウイルス感染症の数少ない恩恵と言えるかもしれません。
そしてDRSは自身のレーベルSpace Cadetから'Light Language'を発表。今作も名だたるDrum 'n' Bassプロデューサーとコラボレーションし美しいLiquidバラードに彼独特の冷涼なラップと歌声が光る作品に仕上がっています。
Unglued - Interplanetary Radio
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Break - Dusty Demos
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DRS - Light Language
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Nu:Tone - Little Spaces
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NC-17 - Most Violent Year Album Part 1
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